人事教育担当者が知っておきたいスケジュールの組み方
2016.05.09
ツイートスケジュールを立てる
「理念は決まった、大枠の予算も決まった。さあ、今年は何をやるか。」というところで、全体スケジュールの考え方について触れておきます。「例年これとこれを、大体こんなところでやっているから」では、毎年、同じことの繰り返しになってしまいます。では、企業としての研修スケジュールの組み方は、どのように考えるべきでしょうか。
分類する
まずは、企業内で行うべき研修の種類ごとに分類してみましょう。
① ビジネス基礎教育
新人でいえばビジネスマナーや社業を行うにあたり当然に全員が理解しておかなければいけないことを学ぶ研修です。最近ではITリテラシーなどシステムを扱う基礎教育も行います。
② 階層別研修
それぞれの年代(社歴)で、企業内で果たすべき役割は変わります。大枠としての年代群から、その世代に応じた能力の進展を期待し行う時系列的研修です。
③ 専門研修
個人別の仕事内容に応じて実践的に職種限定の専門スキルを向上させる研修や、マネジメントやコーチング、その他、高度な専門的な分野の教育訓練をさします。
このように大きく分類してみると、従業員のライフステージごとに、どのような研修を企画していけば効果的なのかが見えてきます。単年度で作りこむよりも、中長期の計画をまず描いてみると、単年度で振り分けるべき研修も見えてきたりするものです。
また、経営者から、単年度でテーマを解消するような戦略研修の開催指示を受けるかもしれません。上記①〜③の分野別研修に合わせて、最も力を入れるべき戦略研修も加えると、年間の研修計画に骨格ができて、見違えるものになっていくでしょう。
季節を考える
決算期の違いや年度を採用しているかによって、1年のとらえ方は企業によって違ってきますが、どこにとっても変わらないのが季節的な影響です。1年の中にも春夏秋冬があるように、企業にも季節ごとの波があるものです。1年間と非常に短い期間ですが、その短い期間の中に学びに最適のシーズンがあるはずです。
一般的に春や秋は、学ぼうという意欲の出る季節ですし、夏は学ぶというより暑さをしのぐ季節であり、歳末は物事をまとめようとする季節であって、1年の振り返りや反省の期間に向いている時期でしょう。このように、教育を割り振る計画もメリハリを持たせていきたいものです。
抽象的で概念めいたお話をしてしまいましたが、大きな視野を持って、細部を組み立てていくと、つながりを作りこんでいくこともできるようになります。