ヒップスターゲート

読書マニアE氏の推薦ビジネス書

逆境を楽しむ力

2023.02.03

令和のモチベーションマネジメント

ピンチをチャンスに変える!
言うは易く行うは難しの代表的な言葉の一つです。

自分自身を奮い立たせ、逆境を乗り越えるためには、
どのようなモチベーションマネジメントが有効なのでしょうか。

その答えのヒントは帝京大学スポーツ局長の
岩出 雅之氏の書籍にあります。

岩出氏は帝京大学ラグビー部の監督として、
2009年に全国大学ラグビーフットボール選手権大会で初優勝を飾り、
2017年には前人未踏の9連覇を記録。
そして2021年にはV10を達成と輝かしい成績を残されました。

この成績の裏側には、学生のモチベーションを
巧みにコントロールして、逆境を乗り越える力を強化したことにありました。

タイトル:逆境を楽しむ力
著者:岩出 雅之
出版社:日経BP (2022年5月発売)

遠回りしてでも徹底して本人に考えさせる

例えば、ある学生の掃除方法を指導したいと思ったとき、本人には直接言いません。
その学生に「掃除をもっと効率的に行う方法を仲間と話し合って、
何か提案してくれないか?」とアプローチをするのです。

傍から見れば、岩出氏は学生と手間がかかるコミュニケーションです。
なぜ、こうした遠回りな方法で伝えるのでしょうか。

本人に直接言えば、その場で問題は解決されますが、
その行動は「監督から指示されたから」という外発的動機によるものです。

それでは、人のやる気は長続きしないし、
創意工夫が生まれる余地は少ないでしょう。

しかし、あえて遠回りして自ら考えさせることで、
自分の内側から湧いてくるアイデアや感情が生まれ、
内発的動機によって行動を起こすようになるのです。

人のモチベーションが最も高まるのは、外部からの刺激ではなく、
内から湧き出る興味や楽しさを感じる時です。
内発的動機をうまく発動させることができれば、
人は充実していると感じて高いパフォーマンスを発揮します。

ピンチを乗り越える方法

ピンチが目の前に迫ってくれば、誰もが心理的にストレスを感じるものです。
岩出氏もラグビーの試合中に、相手にリードを奪われたら余裕がなくなると言います。
それでは、追い詰められてしまった時に私たちは何をすべきなのでしょうか。

最も簡単で効果が期待できるものは「呼吸をととのえること」です。
鼻から息を深く吸って、口から少し時間をかけて吐き出していく。
これを2~3回繰り返すだけで、次第に心も整ってきます。

人間は危機に直面すると、脳の最も原始的な部分が即座に反応して、
恐怖や困難から逃れようとします。恐怖や困難からの逃亡を最優先にしているので、
場当たり的な行動しかできず、いわゆるオロオロした状態になってしまうのです。

このオロオロ状態から抜け出して、論理的に物事を考えられるようにするには、
自分の心を落ち着かせるしかありません。

深呼吸だけで恐怖や緊張が抜け出していかない場合、
筋肉を緩める「筋弛緩法」も有効です。

椅子に座り、手を軽く握って、ももの上に置きます。
そして手を強く握って、全身に力を入れて5秒保持します。
5秒経過したら、一気に脱力しましょう。
強く理からを入れた状態から脱力することで
筋肉の緩みを感じ取ることができるはずです。

いつ逆境が来ても最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、
こうした心と身体のリラックス法は覚えておきたいものです。

お気軽にお問い合わせください!月-金/9:00-18:00

お電話でのお問い合わせ 0354650506 メールでのお問い合わせ お問い合わせフォーム