Google は、(米国時間2020年3月3日に)、コロナウィルス対応で全G Suiteユーザーに”Google Hangouts Meet”プレミアム機能を7月1日まで無料開放すると発表しました。
(注) “Google Hangouts Meet”は“Google Meet”に名称が変更されています。
今やアクティブユーザー数は世界で20億人を超えると言われているYouTubeや、スケジュール管理において非常に便利なGoogleカレンダーなど、それらを利用する際にGoogleアカウントの作成が当たり前の昨今において、追加の登録作業等を一切行わずに利用することができるのはとても有難いことです。
さて、そのような”Google Meet”の活用について、研修運営におけるメリット・デメリットの視点から考察したいと思います。
※”Google Meet”の完全版はG Suiteと呼ばれるGoogleのソフト(GoogleドライブやGmailなど)をサブスクリプション形式で提供する有料サービスに含まれています。
主なメリット
セキュリティ対策
YouTubeやGoogleカレンダー、Googleマップといったような、Googleネットワークの安定性からも、セキュリティ対策は問題ないと言ってよいのではないでしょうか。
”Google Meet”におけるセキュリティ対策の詳細については、以下URLを参照願います。
<参考>:安全につながる: Google Meet のビデオ会議はどのように保護されているか
同時接続できるアカウント数
無料版”Google Meet”では最大100人まで同時接続が可能であり、有料版では最大250人まで同時接続が可能です。
さらに、Google Chromeの「Google Meet Grid View」という拡張機能を、無料でインストールすれば、100人に近い人数であっても、一斉表示が可能なので驚きであり、これは他のWEB会議システムと比べても圧倒的な機能だと言えます。
<参考>:Google Meet Grid View
費用
無料版では、機能制限が一部あるものの、時間制限無しで使用できることから、導入のハードルは低いと言えるのではないでしょうか。
もちろん、あなたの組織で既にG suiteに加入しているのであれば、追加費用は一切かからずに完全版が使用可能ですのでご安心を。
操作性
機能がとてもシンプルである分、研修運営において操作で困ることはないと思います。
教室(会議室)の作成についても、Googleカレンダー上で、予定の作成を行うと同時に会議室URLが生成されるので、とても簡単です。後は、その生成されたURLを研修受講者と共有するだけです。
安定性
大きなノイズや映像の乱れもなく、研修運営上、問題になるような現象は起きていません。
Googleは(米国時間4月22日に)、有料版”Google Meet”に幾つかの新機能を追加したと発表しており、その中の1つに、キーボードを叩く音や犬の鳴き声などのノイズをキャンセルする機能も追加されるとのことで、更に安定性は高まると期待できそうです。
主なデメリット
機能性
”Google Meet”における最大のウィークポイントはこの機能性の部分かと思います。
”Google Meet”には、研修運営においてグループワーク時に重宝される「ブレイクアウトセッション機能」が残念ながら存在しません。しかし、多少手間はかかりますが再現自体は可能です。やり方は”Microsoft Teams”に似ています。
<参考>:Microsoft Teamsを実際に使って分かったこと
”Google Meet”では、WEBブラウザが必須です。
これは、メイン教室からグループワーク時に使用するサブ教室への移動が、WEBブラウザのタブの切替えで済むためです。
”Google Meet”では、複数のWEB会議を同時に作成・進行することができるため、運営(ホスト)側で①メイン教室、②グループワーク時に使用するサブ教室(グループ数分)を、あらかじめ作っておくことによって「ブレイクアウトセッション」と同等の機能が再現可能になります。
また、受講者自身が手動で教室を移動しなければならないことから、事前に各教室のURLを共有し、①メイン教室、②自身のグループワーク時に使用するサブ教室の計2つのタブを開いておくように指示をすると、研修運営がスムーズになります。
<参考>:【先生向け】Google Meetでブレイクアウトルームを使う方法 How to use breakout rooms in Google Meet (6:00~)
なお、”Google Meet”には、他のWEB会議システムに実装されている「ホワイトボード機能」はありません。そのため、グループワークのアウトプットの可視化(共有化)については、別のアプリケーションを活用することが必要になります。
その他、「レコーディング機能」は有料版G Suiteの限定機能であることや、自宅の生活感を消すことができる「バーチャル背景機能」が実装されていませんので、ご注意を。
考察
セキュリティ対策や費用面からも、導入のハードルはとても低いと言えます。
ただし、機能面において、他のWEB会議システムと比較してしまうと、見劣りする点がある為、運営(ホスト)側の操作や受講者へのオリエンテーションに手間暇をかけて入念に準備する必要があります。
会議システムの特徴(リスクの想定などを含め)を把握しながらも操作に慣れている、もしくは運営の協力体制が万全である場合については、積極的に導入を試みるのも賛成です。
最後に、無料版”Google Meet”では、2020年9月30日以降の使用に際して、通話時間に制限(60分間)がかかりますので、研修運営で長時間使用するには、有料版にプラン変更することを忘れないで頂ければと思います。
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