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HRD用語【ラポール】

2015.09.03

【ラポール】

臨床心理学用語。相手と心が通じた相互信頼の関係をいう。

 

この、ラポールという言葉はマナー、マインド研修で大変多く使われます。
ほかのHRD用語とは音の響きが違っていて、私は少し気恥ずかしいのですが、
フランス語の“rapport”=橋を架けるを語原としているのだそうです。
研修で使用される舶来の言葉はアメリカ発のものが多いので、異色ですね。

この言葉は、私たち研修業界だけでなく、一般にも使用されますが、
本来は臨床心理学領域での言語です。
医師の働きかけを受け、患者が「心を開き、打ち明け、受け入れ、理解する」、
相互に信頼関係を築けている状態の事をいいます。
つまり、精神科医(およびセラピスト)のテクニックが創り出した関係です。

4つの代表的なラポール構築のテクニックをご紹介します。
①ペーシング・・・相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせる
②ミラーリング・・・相手のしぐさを真似する
③バックトラッキング・・・相手の話した言葉を繰り返す
④リーディング・・・(ラポールが築けている状態で)相手を手助けし、誘導する

リーディング以外の3つは相手と一体感をつくるために有効です。
早口の相手とは早口で返し、
大事な秘密を打ち明けようとしている人には、こちらも、こっそりと注意深く聴き、うなずく。
相手の言葉を繰り返すのは、こちらが漏らさず話しを聞いているサインとなります。
ペースを合わせたり、相手のしぐさを真似るとはそういう事です。
しかし、私が疑問に思うのは、本当にこんな事で信頼関係が築けるのか、という事です。

臨床心理の現場では、セラピストとクライアントの対話時間は厳密に決められています。
クライアントにとって、他人との対面そのものがストレスになることもあるからです。
(また、セラピーは時間によって料金が計算されたりもしますしね。)
だからセラピストは限られた時間で効率的に一体感を作り、話しを聞く必要があるのです。
そこで、この4つのテクニックが効果を発揮します。
セラピーの度に繰り返し実施され、クライアントとの信頼関係は本物に近づくのでしょう。

ラポールはこの4つのテクニックとともに知られていて、
営業や、たとえば恋愛などにも応用できると言われています。
しかし、元々ラポールの現場には医師と患者という関係性がありました。
信頼関係を築こうとする者がどちらか一方だった場合、また、
テクニックが稚拙でアカラサマだった場合は逆効果もありえます。

「人の心に橋を架ける」そう簡単ではないと思うのです。

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