2022.04.15

増殖するハラスメントに対して私たちは何ができるのか?

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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増殖し続けるハラスメント

「セクハラ」「パワハラ」「マタハラ」など、少し前までハラスメントと言えば、
代表的なワードが決まっていました。

しかし、今や世の中には「XXハラ」が増殖し、その数は50種類以上あるとされています。
いくつか例を挙げましょう。

  • オワハラ
    就活にまつわるハラスメントであり、企業が学生に内定を出す際に、
    就活を終わらせることを迫るような言動を指す。
  • ソーハラ
    ソーシャルメディアハラスメントであり、ネット上での誹謗中傷がこれに該当する。
  • ロジハラ
    正論や詰問で相手を追い詰めるロジカルハラスメントの略。
  • 無意識ハラスメント
    自分の言動がハラスメントと思わないままにハラスメントしてしまうこと。
    無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)などが該当する。

この他にも「家事ハラスメント」「ワクチンハラスメント」「グルメハラスメント」など、
その種類は多岐にわたります。
今後もこの流れは断絶されることなく、ハラスメントは増殖し続けると見るのが妥当でしょう。

なぜハラスメントは増え続けるのか?

ハラスメントはその線引きが難しく、行為の受け手が不快と感じるものは、
そのほとんどにハラスメントと名付けような風潮が広まりつつあるのが要因でしょう。

今やSNSで誰もがいつでも気軽に世界に発信できる時代であるからこそ、
自分はこんな嫌な思いをした、これが不快だったという個人的なマイナス経験や感情を
○○ハラスメントとネームを付けることにより、注目を集められる構図となっています。

一方で、不快な行為を受けたことに関して、声を上げることの何が悪いのか。
という反論も聞こえてきそうです。

もちろん理不尽で不当な行為を受けた時には声を上げることは大切です。
問題なのは、その行為が客観的に理不尽で不当な行為であるかどうかを
認定することが非常に難しい、ということです。

実際のところハラスメントに認定される範囲は時の流れとともに変わります。
数年前までは全く問題なかったのに、今はNGとされる例も多いです。
ハラスメントはここからここまでという明確な線があるわけでなく、
グレーゾーン領域が広いために、何でもかんでもハラスメントにしたがる人もいれば、
逆にハラスメントには抵触しないと考える(または無自覚な)人もいるのです。

グレーゾーンは黒と心得る

こうした現状の中で、私たちができることは何でしょうか。
一つは「君子危うきに近寄らず」を心掛けることです。

職場のメンバーに恋愛などプライベートな質問を投げかける。
異性の部下を頻繁に食事に誘う。

このような行為を相手は脅威で不快だと感じればハラスメントとされてしまいます。
不用意に近づかないようにするのが賢明かもしれません。

そして、気を付けるべきは「物事には順序がある」ということ。
いきなり「休みは何してるの?」「彼氏・彼女はいるの?」などと踏み込んではなりません。
相手が返答に困っている様子が垣間見えたら素直に「踏み込んだ質問をしてごめんなさい」と
謝る潔さを持ちましょう。

たとえあなたが「自分はこれをされても大丈夫」と感じる行為であっても
受け手が変われば、感じ方も全く異なります。

ハラスメントの種類が無数に増殖し、対処が難しい現代社会だからこそ、
「グレーゾーンは黒である」と心得て、相手とコミュニケーションを図るようにしましょう。

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