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2015年度新入社員労働に関する意識調査

2015.07.13

2015年度新入社員労働に関する意識調査

  • 分析

    総じて受容的な個性が全体を占めている。「真面目で素直」な一方、問題意識が低く、物事を表面的に捉えるため、本質を見極める奥深さに欠ける。よって学びは知識を得るのに終始することになり、気付きや行動変容が起こりにくい。時間と教える側の体力が必要である。
    また、主体性・積極性・発信力の弱さや他者依存の傾向は、未成熟で大人になりきれない様子を表している。人や物事に関与していく意識が薄く、基本的に個人主義である。ただし、閉鎖的な側面はなく寛容であるため、積極性の無さや気配り・配慮ができない様子などが一見では分かりにくい。
    踏み込まない態度は、論理的思考や分析力の弱さにも表れているため、今後、質の高い仕事を生むにあたって、注意が必要である。

    講師コメント
    ●素直な反面、言われていない事に対する主体的な行動を見ることはありませんでした。
    ●教わったことに対しては問題なく行動できますが、より良くするためにはどうしたらよいかなど、積極的な改善行動はありませんでした。
    ●真剣に受講する態度はあるものの、積極的に発言しようとする行動は少なく、大人しい印象がありました。声が小さく質問も少ないようです。
    ●そつなく何でもこなせるが、失敗を恐れ、指示があるまで行動しない面があります。枠からはみ出すことなく、周囲に合わせる傾向が強いようです。
    ●発信力の強いメンバーに従い、自ら発信はしない受講者が散見されます。
    “皆仲良く”の意識が強く、嫌われたくない意識を感じます。
    ●難しい場面になると様子を見る立場になったり、積極的なメンバーに任せたりする様子がありました。心ここにあらず、と言った、自分で解決しようという態度ではない面が多く出てきてしまうようです。
    ●研修会場内の床にカバンがあって歩きづらい状況であっても、どこかにまとめるなどの配慮ある行動はありませんでした。
    ●問題点を見出したり、成果物を論理的にまとめたりすることは苦手なようで、思いつくことに対する行動あるのみでした。
  • 分析

    真面目であり、課題に躊躇なく取組むことができる。要領を得て作業にあたると、高い集中力を発揮することも集計結果から明らかである。
    講師コメントからは、指導内容やメンバーに対する受容的な様子が伝わる。これは、自己成長をのぞむ受講者の高い意識が起因していると考えられる。
    この意識は、学びに対しての素直さを生み、講師からの注意に不快な表情を見せず、すぐに改善するなどの行動として表れている。
    総じて、ハツラツと明るい印象の残る受講者であったが、「知らない」ことに引け目がないことが影響しているだろう。開き直りともとれる心情であるが、学ぶことを許される新入社員の強さであり、逞しさと捉えることができる。

    講師コメント
    ●講師からの指摘に対して、斜に構えずすぐに直そうと努力ができ、良くなろうという意欲が高い。
    ●言われたことをすぐに実践できる能力があり、お互い注意し合い高め合う素直さを持っていた。
    ●講師側がインプットや指導をすればそれに対し、次の瞬間から素直に行動に移すことができる。その際の背景を考えるより、素直に受け止める素地である。
    ●自分の知らないことを吸収するための資質があり、そのスピードは素早い。また、どのようなシーンで活用できるかというイメージをすぐに持つことがでる。
    ●講師からの指示を的確に捉え、遂行できる力がある。また、自分なりに考えて行動でき、工夫をしようと努力ができる。
    ●誰かが結果を出すとそれが正解だと理解して突き進める。その際の力は出し惜しみしない。
    ●わからない点があると、休憩中に受講者同士で教え合うなど、協調性高い雰囲気があった。
    ●注意を受けたことをすぐに実践し、改善できる。厳しめの注意も、明るい態度で、素直に自分事として捉えることができていた。

目標への道筋だけではなく、具体的指導と進捗のフォローが必要。考え抜く力が未熟なため、きめ細かなコーチによって、本来考えるべき事柄を理解させ習慣化させる。これにより力を発揮することができる!

新入社員は、人の話を真摯に聞き、素直に吸収しようとする力があります。そして、理解したことは即実践し、他者の意見も積極的に受け止めるなど柔軟性も高い時期です。その反面、答えのないことに対して自らの意見や考えを発信したり、他人の意見に対して、疑問を投げかけたりする主体性、積極性は少ない傾向があります。言われたことや決められたことを順守する姿勢はありますが、言われないと気付かず、また学んだことを繰り返し指導しないと、忘れてしまう傾向が強いようです。そこで指導側は、ゴールに対する具体的な指導はもちろんのこと、その後もきちんと実行できているか、途中であきらめていないか、+αの仕事や今後の流れも考えているかなどきめ細やかなフォローをする必要があるのです。

【受講者の3大特徴】

  • ●ゴールがイメージできないと、疑問を投げかけることもなく主体的、積極的な行動ができなくなる。
    ●答えがないことに対しては、理屈をつけてその場から逃れ、対峙することができない。
  • ●個としての競争を極端に嫌い、平均的に結果を出せばよいと考えている。
    ●他者に合わせ、依存することがよいコミュニケーションの取り方、仕事の進め方だと考えている。
  • ●指示されたことはきちんと行う。しかし、その仕事に付随することや、自発的に行えることを考えることはしない。
    ●目標は達成しただろうと、ある程度までできたら満足し力を緩める。

《調査を終えて》 2015年度新入社員育成の提言

 2015年度新入社員労働に関する意識調査により、新入社員の働く意識の傾向が明らかになりました。
 設問1「会社の先輩や上司に何を期待するか」は「マナーや仕事の基本スキル」36・5%、「仕事以外の話ができる雰囲気」35・2%が高い数値を示しました。未熟な事を素直に受け止めている様子と、不足するスキルをストレスなく学んでいきたいと考えている事が分かります。
 一方で設問5「先輩や上司に期待されていること」は「不明点を確認しながら進める」27・4%、「周囲を見て気配りある行動をする」26・8%、となっています。 真面目な取り組み姿勢や失敗をしたくない気持ちが汲み取れます。
 また、登壇した講師陣(86名)の報告書による「強み・弱み」は昨年の集計結果とほぼ変わりなく、受講者の素直で真面目な様子と発信力の弱さがあげられてい ます。しかし、今回は「強み」に明るさをあげる講師が多く、2015年度の大きな特徴の一つと言えます。マナーや敬語は知らないけれど、卑屈にならず、学ぶことに 素直な喜びを感じている様子は印象的でした。

※2015年度新入社員における強み弱みランキング(n=1312) 
強み…1位「素直」24%、2位「思考力・理解度」22%、3位「取り組み意欲・集中力」14%
弱み…1位「主体性・積極性・発信力」24%、2位「受け身・他者依存」18%、3位「周囲への気配り・配慮」18%

 受講者は2002年度学習指導要領による教育(ゆとり教育)の終盤を過ごしました。経験重視、感受性を大切にした教育は、個性を保全し大らかで素直なこの世代の特徴を生みました。
 しかし、2011年に始まった脱ゆとり教育は彼らの学習の根幹を揺さぶります。就職活動では、求められる若者像と自らのギャップを認めざるを得ない状況となりますが、彼らは持ち前の大らかさで受け入れ、今なお、学びの姿勢を崩しません。
 また、設問2「働くうえで重要だと感じている事」は、回答順位に昨年との違いはないものの、「仕事がこなせる能力」の回答率が若干ですが上昇しています
(14年度39%、15年度42・9%)。昨年2位の「同期や先輩との良好な関係」からポイントが移行しているのですが、ここでも知識を得たいという傾向が伺えます。
 設問6「将来、海外で働きたいか」の回答が、「スキルが身に付いたら働きたい」に集中した(45%)ことからも、現在の立場を一種の学びの期間と認識している ことが分かります。
 更に興味深いのが、設問3「仕事をする上でのモチベーション」に対して、「給与」の回答が昨年比4・8%増であったことです。社会変化のない1年であり、他設 問の回答が昨年と近似値の中、「金銭」に関する項目に回答率の上昇があるのは特徴的だと言えます。回答者は全体の11・9%で少数派ですが、講師から目標設 定の低さを指摘された彼らに、仕事や能力の対価として、給与をあげる受講者がいる事を、頼もしく感じます。
 以上の集計結果を受けて、ヒップスターゲートでは、「答えのない課題に恐れず挑戦できる人材」を新入社員および若手層に求めます。
 知識を得ることに高い意識をもって臨める2015年度新入社員ですが、それを体現していく実行力と、失敗を恐れない挑戦意欲はまだまだ不十分です。
 ビジネスは冒険で、答えは一つではありません。これから船出しようとする彼らには、高い障壁があり、また数えきれないチャンスも待ち受けています。挑戦と実行を繰り返し、様々な正解を導き出して欲しいと考えます。

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