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人材教育用語【ハ行:パレートの法則】

2015.08.11

【ハ行:パレートの法則】
投資や投入の一部(約2割)が結果の殆ど(約8割)を生み出す、という経験則のこと。1896年にイタリアの経済学者ヴィルフレート・パレートが発表した「社会全体の所得の多くを一部の高額所得者が占める社会的自然現象」についての研究を、ジョセフ・M・ジュラン(米国)が、品質管理分野に適用し“パレートの法則”と命名したことによって広まった。80対20の法則、2:8の法則などとも呼ばれる。

 

優秀な人材群と普通の人材群のどちらに注力して育成をするか。
と議論になったとき、『パレートの法則』が引き合いに出されることがあります。
この法則でいうと、全体の約2割と目される優秀な人材に投資するのが、
効率的であり、多くの結果をもたらすということですが…。

優秀な社員と言える人たちは常に多くの仕事を抱えています。
それは、仕事というものが優秀な人に集中するものだからです。
パレートがこの法則の根拠とした、
高額所得者が社会全体の多くの所得を生み出しているというデータも、
これと同じ現象が起こっていると考える事ができます。

パレートの法則の派生として、
組織を、2:優秀 6:普通 2:劣等に分ける、「2:6:2の法則」というものがあります。
普通の人材8割をさらに分割して「劣等2割」を生み出すという、
本当にばかばかしい法則です。
しかも、この2:6:2の法則が刺激的なだけに、朝礼ネタとして珍重されているのです。

確かに、売上や生産性の側面から、優秀な人材をグルーピングすることはできますが、
「普通」「劣等」と社員を括る尺度はいったい何でしょうか?

パレートの法則が意味するところは、
全体を良・不良の2つに区分けし、それぞれにレッテルを貼るという事ではありません。
ある一つの観点からみた「社会の仕組み」、といった事でしょう。
もとより、人を優劣に分ける意味合いはありませんでした。

製造ラインや事務処理工程の問題解決に際して、
問題の8割を生み出す2割の原因にメスを入れるのは効率的ですが、
この法則を“人材”に適用した途端、もうナンセンスだと私は思うのです。

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