フォローアップの神髄(1)~フォローは必要なのか~
2016.10.17
ツイートまずは「新人研修」
人材育成を考える時、誰もが思い浮かべるのは、新人の即戦力化です。新入社員研修といった名称で集合研修を行い、社会人人生で必要となる最低限の知識やスキルを教えます。企業によって多少の違いはあるものの、一般的な項目があり、時期は、入社から1年以内くらいのスパンで実行されることが多いのではないでしょうか。
新人のフォロー
人事の立場で考えると、経費や労力をかけ、時には足を運んで選考を繰り返し、ようやく採用した新人たちでしょう。苦労の賜物の人材ですから、早くに退職してもらっては、本当にがっかりすることになります。
「大丈夫かな」「なじめているかな」という視点で、フォローをしたくなる心情には多くの方が共感することでしょう。こうした観点から、改めて教育の場を設けることは、実に、自然な理屈だと思います。
フォローを考える
新人が、職業生活になじみ、軌道に乗り始めるまで経過を見ることは、雛鳥の傍らにいて成長を見守る親鳥の様子を彷彿とさせます。しかし、それ程の絆で結ばれた親鳥と雛鳥も、巣立った後に相まみえることはありません。飛び立ってしまえば、後は「野となれ山となれ」というのが自然界の掟なのでしょう。
さて、私たちビジネスパーソンはこれでよいでしょうか。飛び立ったら、あとは自力で何でもこなしてください、といった考えや手法もあるでしょうし、配属先の習慣や組織編成によってケースバイケースで進んでいくという処し方もあるといえます。
企業や職場の将来性の観点から見ても、人材をフォローしていくには、そして、フォローとは何であるかという基本的なことを考えておくことは、非常に重要です。