ヒップスターゲート

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【プレスリリース】D&Iを企業価値に高めるために有効だった施策を89社に調査

2021.10.19

株式会社ヒップスターゲート(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役:渡邉良文)と株式会社グローシップ(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役:小田桐正治)は、企業のD&Iの取り組みについてアンケート調査を実施いたしました。アンケートは2社が共催したセミナー『波に乗れ!事例満載のダイバーシティ3大無料セミナー』に参加いただいた皆様を対象に行ったものです。

『波に乗れ!事例満載のダイバーシティ3大無料セミナー』は、D&I支援に知見の深い有識者と既に取り組みを進めている企業のD&Iご担当者をゲストに迎えて、2021年夏に3タイトルを開催しました。

セミナーテーマは男性育休、LGBTQ、アンコンシャス・バイアスの3つで、アンケートにご協力いただいた参加者の皆様は、企業の人事部門やD&Iご担当者を中心に、D&Iの推進にご関心のある方々です。

アンケートは、セミナーの参加者が勤務する企業のD&I推進の現状と、そこに至るまでに有効であった施策についてお聞きしています。これにより、D&Iの推進段階による有効な打ち手や取り組みが明らかになりました。

■各セミナー開催日とテーマ
021年7月16日 経営戦略のための男性育休 〜人事担当者の打ち手とは〜
2021年7月28日 企業内のLGBTQ推進〜多様な性のあり方を考える〜
2021年8月26日 アンコンシャス・バイアス体験ワークショップ ~ゲームで学ぶ!多様性の理解~

■アンケート回答者数と属性
回答者数:149名
回答者が勤務する企業数:89社

 

まず、自社のD&I推進現状を5つのステップ(未対応、違いを把握している、違いを認めている、違いに価値を置いている、違いを強みにしている)で回答いただきました。

設問1:貴社におけるD&Iの現状は、どのステップにあると感じていますか?

「ステップ1:未対応」が18名で全体の13%、「ステップ2:違いを拒否している」が6名で4%、「ステップ3:違いを認めている」が83名で59%ともっとも多く、「ステップ4:違いに価値を置いている」が26名で18%、「ステップ5:違いを強みにしている」が8名で6%という結果になりました。

D&Iに対して一定の関心を持つ皆様が参加されていたこともあり、「ステップ5:違いを強みにしている」「ステップ4:違いに価値を置いている」と回答された方が24%いらっしゃいました。この段階にある企業は、D&Iを推進し、誰もが働きやすい職場環境への整備に取り組んだうえで、経営戦略の一つとして、より積極的な結果を出されているといえるでしょう。

一方で、「ステップ1:未対応」「ステップ2:違いを拒否している」と回答されたのは17%でした。これからD&Iに取り組もうとする企業の方もセミナーに参加いただいており、D&Iへの関心や必要性の浸透具合がうかがえます。

設問1で、もっとも多い59%の回答が寄せられたのは「ステップ3:違いを認めている」でした。

D&I推進は国際的、社会的な潮流となっています。当アンケート結果でも、多くの企業がすでに何らかの取り組みを始めていることがわかりました。しかし同時に、この段階で取り組みが足踏みしやすいことも類推されます。

次に、設問1で、ステップ2~ステップ5と回答された方に、現状のステップに進む際に有効だったと思われる施策を伺いました。回答は全24項目から複数項目を選択いただいています。

設問2:現在のステップに進むために有効だった施策(全24項目から選択)

現状を「ステップ2:違いを把握している」および「ステップ3:違いを認めている」と回答された方の選択は「トップのコミットメント」「D&Iを推進する専任組織の設置」「女性活躍推進」に集まりました。また、どちらのステップも次に回答が多かったのは「管理職層に対する働きかけ(周知・教育・研修)」でした。このことから、D&I推進の初期段階では、経営層の意思表示と具体的なスタートダッシュ、そして取り組むテーマの提示といった、D&Iを進めるにあたっての環境整備が不可欠であることがわかります。

 

現状を「ステップ4:違いに価値を置いている」と回答したセミナー参加者が、ステップ3からステップ4に進んだ際に有効だったと感じた施策でもっとも多かったのは、「管理職層に対する働きかけ(周知・教育・研修)」で12.24%でした。ステップ2、ステップ3を経て、いよいよD&I推進の施策が、社員個々人の意識改革に移行していくのが見て取れます。D&I推進が足踏みしやすいステップ3からの脱却法が見えてきたと言えるでしょう。

 

現状を「ステップ5:違いを強みにしている」とした皆様が選択した施策で、もっとも回答が多かったのは「トップの社内外への発信」でした。ステップ2~4にも同様の回答はあったものの(ステップ2=6.9%、ステップ3=4.1%、ステップ4=6.1%)、ステップ5では10.6%となり、回答全体のなかでも特徴的な結果の一つとなりました。経営トップが対外的に発信するに足る自信と自覚が伝わるとともに、D&Iを経営戦略と位置付けていることがわかります。

設問1&設問2から見えてきたもの

今回のアンケートでは、すでにD&I推進の取り組みを開始しているとした回答が、全体の8割を超えました。

私どもは、当アンケートを実施した際のセミナー参加者を募るにあたり、これからD&Iに着手する皆様のご視聴が多いものと想定していました。しかし実際には、自社のD&I推進の現状を「ステップ3:違いを認めている」とする回答が全体の59%となり、「ステップ1:未対応」の18.1%を大きく上回りました。

また、D&I推進の段階によって、より高い水準へ前進するための施策が異なることもわかりました。

初期段階では、D&I推進に取り組むことの周知と認識合わせが大切であることがわかります。「専任組織の設置」や、まず「取り組むべきテーマの提示」などが有効といえるでしょう。

D&Iに取り組むことが社員に周知され、その概念や基本行動が一定程度に認識された段階では、「管理職層に対する周知や教育・研修」が有効だったことがわかりました。

スピード感をもって組織改革を進めるには、管理職層の影響力を利用したトップダウンが定石です。その意味で、管理職層へのD&I理念の教育・研修は不可欠といえます。

更にアンケート結果を掘り下げれば、ベテランの多い管理職層と若い一般社員との「女性活躍」や「柔軟な働き方」への許容度の違いを是正する目論見もあったものと思われます。

順調にD&I推進が図られ、働きやすい職場環境が整う段階になると、施策は緻密に戦略的になっていくことがわかります。

D&Iが高次な段階に進んだ企業は、「女性活躍」や「柔軟な働き方ができる環境づくり」といった、いわばマジョリティな課題を変革した後、「障害者とのインクルージョン」や「LGBTQ」といった課題に向き合っていきます。よりアンコンシャス・バイアスの領域を模索するようになるといえるでしょう。

対外的にはトップによるD&I推進の発信が行われていきます。背景としては、優秀な人材の確保やESG投資、企業イメージの向上など、D&Iを推進することでもたらされるプラスの経営戦略があるものと思われます。

D&Iをより高次に、自社の強みにするための施策

アンケートで明らかになったことの一つに、D&Iを自社の強みへと高めることの難しさがあります。D&I施策未対応と回答した13%を含め、全体の76%が何らかの取り組みをしているものの、社員各々の個性や思想、働き方などの違いを、自社の製品、サービス、あるいは企業イメージに昇華して展開するまでには至っていません。

働きにくさの改善は組織の業務効率を上げ、結果的に業績の向上にも繋がるでしょう。しかし、それでは組織が「あるべき姿」に改められたに過ぎません。D&Iが特別な事ではなく無意識の概念として浸透するには、それが企業や社会に都合がよく、プラスの取り組みであるという気づきが必要です。そのためにも、企業によるD&Iは組織論ではなく勝つための経営戦略であることが望ましいのです。

では、D&Iを積極的な経営戦略に組み込むのに有効な施策とはなんでしょうか。

組織論から経営論に脱却を果たした「ステップ4:違いに価値を置いている」の設問2の回答は「管理職層に対する働きかけ(周知・教育・研修)が1位でした。組織の調和を大切にする日本企業にとって、組織論の定石を活用することは、必然であり極めて有効な手段であるといえるでしょう。

管理職層への「周知」は、同ステップの同設問回答2位に「トップのコミットメント」が選択されていることからも、経営層の強い意思と発信が大切なことがわかります。

次に管理職層への「教育・研修」に関しては、D&I推進の段階に沿ってプログラムを展開することで、自然で無理のない意識変革、行動変容に繋がっていきます。

まずは組織変革の観点で教育・研修を実施します。企業や社会環境がマジョリティ(多数派)に合わせて成り立つ現状を認識し、D&Iの歪みが組織に及ぼす悪影響を知ります。その後、D&I推進企業の管理職として期待されるマネジメント手法、D&Iと経営戦略の関係性や社会的意義といった内容をの教育・研修を導入していくとよいでしょう。

D&Iを推進の意識変革と手法を学ぶなら

今回、D&Iの取り組みについてアンケート調査を行った株式会社ヒップスターゲート、株式会社グローシップは、企業や組織の人材教育・研修に関するサービスを提供している会社です。

組織研修コンテンツの開発会社として、変化する社会要請に応える術を自ら追求して商品化するとともに、各課題に知見の深い有識者のご協力を得て、教育・研修サービスを提供することで社会に貢献しています。

D&I推進についても、今回の『波に乗れ!事例満載のダイバーシティ3大無料セミナー』にご登壇いただいた方々をはじめとする、多くの専門家、有識者の知識・見識をお伝えすることができます。

《研修ライアンアップ例》
①組織変革のためのダイバーシティ推進プログラム
②ダイバーシティ・マネジメント研修
③経営戦略としてのダイバーシティ研修

これからD&Iに取り組む、D&I推進を加速したい、あるいはD&Iとは何かから始めたいと思う企業・組織の皆様に自信をもって研修プログラム、講演企画をご提供いたします。ご検討のうえ、ぜひお声がけください。

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