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お客様の声

多様性を最大限に活かし、もっと強く、もっといい会社に

2019.09.24

株式会社JTB グローバルマーケティング&トラベル
片岡 香津希
(人事総務チーム)

会社概要

株式会社JTB グローバルマーケティング&トラベル
東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス4・5・6・7 階
Tel.03-5796-5400 https://www.jtbgmt.com/jp/
2004 年設立。日本におけるリーディングDMC として、世界各国の訪日外国人をお迎えするという役割を持ち、来日されるゲストやオーガナイザーを取り巻く全領域のトータルソリューションを提案。豊富な経験、綿密なプランニング力、ワイドなネットワーク、卓越した手配力、確かなオペレーション能力など、クライアントが抱える様々な課題に、期待を上回るトータルマネジメント力で応え続けている。

インタビュー背景

外国からのお客様を日本へお迎えする――。そんなミッションを掲げ、1912年に創業したJTBグループ。そんなJTBグループの中で、インバウンド事業を支え続けているのがJTBグローバルマーケティング&トラベルだ。近年、D&I推進に力を入れている同社。その背景や取り組み内容、社内の変化などについて聞いた。

インバインド事業の急速な拡大とD&Iの重要性

まず御社の事業内容のご紹介をお願いします。
片岡
 JTBグローバルマーケティング&トラベル(JTBGMT)は、JTBグループの訪日インバウンド旅行事業のDMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)です。GMTは日本のリーディングDMCとして、個人旅行、オンライン予約販売サイト、MICE(国際ミーティング・企業インセンティブ・国際会議・大型イベント)、観光性旅行、教育旅行などのあらゆる分野をお取り扱いしています。また、JTBのネットワークを駆使して地域社会との連携を深め、訪日外国人誘客促進に努めています。
御社はD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)にも積極的に取り組まれていますが、その背景について教えてください。
片岡
 2011年以降、インバウンド事業の急速な拡大と共に、弊社の取り扱い規模・従業員数も大きく拡大しました。キャリア入社社員(中途採用)、外国籍の社員、育児と両立しながら働くママ社員、チャレンジド社員も含め、ますます人財の多様化が進みました。一方、組織が拡大することで、他社や他部門とのコミュニケーションは鈍化し、業務の取り扱い規模の拡大に伴い、労働時間も長くなり、ワークライフバランスの実現も課題になっていきました。
 「せっかく人財が多様なのだから、その多様性の強みを最大限に活かせる環境を築けば、もっと強い、もっといい会社になれる」このような思いから、働きやすさや働きがいを長期的に生み出せる職場環境を目指し、D&Iの推進に取り組むようになったのです。制度と風土醸成の両面で進めてきました。
《制度》
●育休制度---------- 子どもが小学校卒業までの間、1日2時間を限度に、30分単位で勤務時間を短縮できる。
●時短・時差勤務------- 子どもが小学校卒業までの間、7:30から20:00までの間の7時間30分に30分単位で勤務時間をずらすことができる。
●変形労働時間-----10通りの変形シフトを導入。月の総労働時間に合わせて各自が組合自由。
●在宅勤務----------- 全社員対象に月1~5日の回数で在宅勤務を推奨。
●時間年休-----------1時間単位で年休が取得できる制度。
●社内インターンシップ制度--------- 他部署の業務(添乗など)を経験できる制度。

《風土醸成》
●ブランド向上委員会
2016年に立ち上げた社長直轄の委員会。各課の代表が一名ずつ参加し、ダイバーシティ推進等、社のブランド価値向上に向けた様々な活動を牽引し、社内に浸透させている。

●GMT ファミリーデイ
社員の家族を会社に招き、働く姿を見てもらう取り組み。同時に社員同士の交流促進にもつなげている。

●GMT マルシェ
家に眠った未使用品や保存状態の良い品を社員が持ち寄り、社内でフリーマーケットを開催。売り上げをJATA環境基金に寄付。

●男の料理塾
男性社員がもっと家事に参加し、充実した自分らしい仕事と家庭の両立を図ることを考えるきっかけとして料理塾を開催。

●PC 時短術セミナー
PC操作における生産性向上の余地を強く認識し、PC時短術を習得することで、日々の業務効率向上、生産性向上を図る。

●各ネットワーク活動
ワーキングマザー&イクメンネットワーク~わくWork☆いくGネット~や、キャリア入社社員のネットワークなど、社横断的なネットワークがあり、ランチ会等で情報共有、会社への提言を実施。
D&I推進を始めてから、社員・社内で変化は生まれましたか。
片岡
 はい。社内のコミュニケーションが活性化し、国籍、経験、立場等が違う社員同士、お互いをリスペクトしあえる風土が広がってきたように思います。また日々の業務が忙しい中でもメリハリをもって働き、仕事とプライベートの時間を主体的にマネジメントしていく意識も高まってきました。
 今では、各部署で自主的な草の根活動が生まれてきています。例えばある課では、環境に配慮した活動を実施しています。テーマは、『身近な事から取り組む「エコ活動」1日1回レジ袋を断ろう!マイボトルを持参しよう!』です。小さな取組の様ですが、課員 19名で取り組むと 1日1枚レジ袋を断る × 19名× 20日=380枚。マイボトル持参の課員13名1日1本ペットボトル ×13名×20日=260本の削減につながりました。このように多様なアイデアが成果に結びつくことで、〝やりがい〟の実感が高まっていくのだと思います。

多様性の理解の幅を広げる

2019年6月には、外部講師を招いてLGBTの講演を行いました。どんな狙いがあったのでしょう。
片岡
 ブランド向上委員会の活動の一環として、LGBTに関する基礎的な理解を深めることが目的でした。参加者は社長をはじめとする委員会のメンバー約30名と部長が数名。内容はLGBTの基礎知識と企業がLGBTに取り組む意義、旅行業界に期待される LGBT 知識や対策など。インバウンドや旅行事業に焦点を置いた事例紹介もしてくださったので、とても参考になりました。また、アライとして支援できることもお話しいただきました。
どういったきっかけでLGBTの講演の開催に至ったのか教えてください。
片岡
 業務上、海外のオペレーターとやりとりをすることが多いので、実はこれまでもあまり意識せず海外の当事者の方と仕事をする機会も少なくはなかったのですが、会社としての取り組みはこれまでありませんでした。社会の動きをみても、ここで社員全員があらためてLGBTの理解を深める必要があると思いました。LGBTの理解は、ビジネス上でも必要ですし、社内でもアライの動きや制度づくりを考える時期になっていると思います。
講演に参加した社員からはどのような声がありましたか。
片岡
 お客様の中にもLGBTの当事者がいることをあたらめて認識し、直接お客様とやり取りをする現場のガイドさんに対しても、「配慮をお願いします」と言いやすくなったという意見も出ましたね。社内においても、近くに当事者の方がいるかもしれないという意識をもって行動をすること必要だ、という社員もいました。今後も継続的に活動を続けることで、さらに浸透していくのかなと思います。

さらなる進化に向けて

最後に、これからD&Iにどのように取り組んでいくのかお聞かせください。
片岡
 ここ数年積み重ねてきた取り組み通じて、一人ひとりの意識や行動は着実に前進してきました。社内外からいただいたアワードも、この動きを後押ししてくれています。ただ、全社員が心の底から〝働きがい〟や〝働きやすさ〟を実感するところまではまだ道半ば。活動自体が目的ではなく、その先の「何のためにするか」「何を目標にするか」を丁寧に社員へ伝えながら、今後も継続してD&Iの推進活動を行っていきます。
 そして、弊社で実施した活動についてJTBグループのオンライン新聞等に掲載し、JTBグループ全体のD&Iも牽引していけたらと思います。
片岡 香津希(かたおか・かづき)
2006年JTB グローバルマーケティングトラベル入社。欧米豪のお客様の訪日旅行の手配、オンライン予約システム等を担当。営業課での経験を経て、2019 年社内人財育成、社内外のブランディング活動を推進するブランド推進室に異動。プライベートでは小2の息子の母。社内のワーキングマザー&イクメンネットワークのお世話役もつとめる。

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