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北方領土返還を決断しなかったプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領の訪日。
北方領土返還交渉、平和条約締結に向けて、とても期待が高まっていましたね。
でも、結果としては一歩前進したとはいえ、日本国民の期待に十分応える合意にはいたりませんでした。
今日は、なぜプーチン大統領が決断しなかったのかについて考えてみたいと思います。

日本人の1人として、私も北方領土返還と平和条約締結を切望しています。
でも、プーチン大統領を決断に導くための「準備」が整わないままに、期待だけが先行していた感が否めません。
これまで何度も首脳会談を重ねてきたこともあり、首相官邸もマスコミも、これで決着をつける!という希望的ムードが高まりましたが、そんな期待は淡雪のごとく消えてしまいました、、。

長門市への来日時間が遅れたことをはじめとして、国際的な交渉事の難しさを、あらためて日本人に見せつけた会談だったのではないでしょうか?

プーチン大統領には、返還を決断する意欲が薄れていたと思います。
それは、アメリカでトランプ氏が次期大統領に選出されたからです。
ロシアとの関係改善へのメッセージを発していた人物が次期米国大統領になることで、クリミア編入問題をきっかけに、日本を含むG7各国から経済制裁を受けているロシアとしては、日本との関係改善への意欲が薄れます。

日露という二国間だけでは、国際政治は動かない。
米露関係も含めて考える、広い視野、複数の関係を考える教訓となりました。
さらに、プーチン大統領は、返還する決断ができない政治状況にありました。
ロシア国民の意識調査では、80%を超える国民が北方領土返還に反対しています。支持率が高い大統領としても、ここで政治的リスクを負ってまで日本との関係改善に乗り出すことは、とても難しいことだと思います。
経済制裁が緩和される見通しがあるのなら、もうしばらく我慢しよう、と思うのがロシア国民への説明でしょう。

では、今回の合意は無駄だったのか?
領土が返還されないことを取り上げ、会談は失敗だった!という論調もありますが、私は決してそうではないと思います。

領土の帰属を正面から争うのではなく、実利を先に交渉することで、相手の決断を促す環境づくりがスタートできたからです。相手が決断できる状況を、もう一度整理することの大切さに、気づいた日本国民が増えたと思うのです。

支持率の高い首脳同士が話し合うことには、意味があることなのです。

ただ、会って信頼関係を築くことだけで、相手は決断するとは思わないこと。
ロシアの経済情勢が、日本の支援を欲しがるほどに悪くなること。
日露間だけでなく、米露間の関係も良くなること。
日本は、アメリカの(暗黙でも)支持あってこそ、日露交渉が成功すること。
ロシアの輸出産業の生命線である、資源価格が安いこと。

中国の台頭を、アメリカ、日本、ロシアがどのように考えているのか?
日米安全保障条約に基づき、アメリカ軍基地を北方領土に置かないと約束できるのか?

凍り付いた二国間関係は、一気に溶かすのが難しいです。
相手の行動に、観測的希望を持つことなく、広く状況を見極め、国力を養い、タイミングをはかる。
領土交渉という大きな決断を相手に迫るには、こちらの正論を吐くだけでなく、相手が何を望んでいるのか、相手はどんな状態にあるのかをじっくり待つことも大切なのだと、あらためて気づかされました。
この交渉はまだまだ時間がかかりそうです。

高齢化が進み、時間の余裕が無い元島民の想いはもちろん大切ですが、「真田丸」最終回のセリフではありませんが「望みを捨てない者にのみ、道は開ける」のではないでしょうか。

 

高島 徹
Editor
株式会社決断力 代表取締役・決断力プロデューサー
高島徹(たかしま・とおる)
高島徹(たかしま・とおる) プロフィール >
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